Our work

一瞬を逃さぬために、私たちはそこにいる。

編集局24時 編集局24時
14:15
「ただいまから編集会議が始まります」。朝刊編集会議の開始を告げるアナウンスが社内に響き、次々と人が集まってきます。編集局長を中心に、局総務、ニュースセンター長、局次長、編集委員室長、副センター長、整理部長、編集局の部長、ビジュアル報道局、事業局、メディアセンター、国際局、デジタル編成部の各部長が出席し、その数は約60人。編集総括を務める編集局次長の司会で、札幌から福岡までの各支社からも専用回線を通じて会議に加わります。本社と各支社の会議の様子は大型モニターに映し出されます。
翌日の朝刊用のメニューを「朝刊メモ」と呼び、そのたたき台が配られます。フロント(1面写真)、総合(総合面)、震災原発、政治、生活報道、地域報道、外信、外国経済、経済、大阪経済、社会、大阪社会、科学、文化・エンターテインメント、運動、東京、教育、時の人、写真、グラフィックス、動画の順に主なニュース項目が並びます。メモ作りを担う整理部長が、新聞1面のトップ記事候補と他の1面用記事候補(トップ級)を提案します。これに対して各部長の説明や意見が出され、議論してトップ候補、トップ級が決まります。
編集会議で決まった朝刊メモは午後4時までに全国の新聞社に送信します。新聞社はこのメモと自社のメニューを各々の編集会議で調整し、翌日の紙面を作るわけです。
「統合編集」にあたっては、記事はもちろんのこと写真、グラフィックス、動画といったビジュアルコンテンツの検討作業も重要です。出席者が主要なニュースとともに、こうしたコンテンツを確認し、朝刊の製作作業に入ります。

16:00
放送局向けの記事を作成する放送編集部は、夕方のニュース時間帯に合わせ、速報やショートニュース、スポーツニュースなどを次々配信し、ウェブ向けニュースを担当するデジタル編成部も、休む間もなく原稿をインターネット上にアップしていきます。それと同時に朝刊に向けた作業が本格化し、編集局のあちこちで電話が鳴り、現場の記者からパソコンで次々と原稿が送り込まれてきます。繁忙な時間は深夜、場合によっては未明まで続きます。
雑然とした空気の中で「キンコンカンコン」とスピーカーからチャイムが響き、重大ニュースの発生を伝える「フラッシュ」が流れます。速報を伝える「番外」も頻繁に聞こえてきます。これらは新聞社の編集局とも専用線で直結しています。このような、新しい記事の案内や変更が発生した際の、声による「お知らせ」は、共同通信社と新聞社の編集作業をつなぐ生命線です。

19:50
第2朝刊会議の時間です。編集総括の局次長、宿直の整理部長、各部のデスクが集合。編集会議以降の状況の推移、記事送信の予定を中心に議論し、これらを「作業情報」として新聞社にお知らせします。この場で翌日夕刊用の主な記事配信の予定も協議します。

23:00
朝刊最終版に向けて第3朝刊会議が開かれます。出稿状況や1面トップ候補などを点検します。新聞社の朝刊締め切り時間も近づいているため、問い合わせが殺到。副センター長は対応に追われます。
2:00
通常は朝刊用の原稿送信は午前1時45分ごろに終了します。しかし、この後でも重大ニュースがあれば終了時間を延長し、送信を続けることもあります。時差と闘いながら世界のニュースを伝える外信部は24時間態勢です。社会部と写真部の宿直担当者は仮眠を取りながら、事件発生の際はいつでも出動できる態勢をとっています。
3:00
午前3時からは夕刊用の記事送信がスタートします。記事はテレビキー局にも送られ、早朝のニュース材料として活用されています。放送報道局からはテレビ局、ラジオ局に向けて放送用ニュースを配信します。デジタル編成部も電車内のサイネージや携帯、スマホ向けニュースなど、早朝の出勤時間に役立つコンテンツを配信します。
9:00
朝の編集会議。副センター長が総括を務め、早番の整理部長が夕刊のメニューとなる「夕刊メモ」を説明し、差し替えの必要があるかどうかを各部と検討します。動画コンテンツも視野に入れて取材予定を確認します。
9:30
放送編集部は昼ニュースに向けて7項目前後の重要ニュースを決め、契約放送局に「ニュースメモ」を送信します。
10:30
編集局デスク会議。編集局長、局総務、ニュースセンター長、局次長らが前日に配信した朝刊記事について、他紙と比べて扱いや内容はどうか、見出しは適切だったかを検証します。この会議の内容は取材・編集に生かすため、支社局にも伝えます。
11:00
夕刊早版の締め切り時間は、1面と社会面はおおよそ午前11時~午後0時台。夕刊の作業時間は短く、午前11時〜正午前後が最繁忙時となります。次々と原稿が入ってきて、ニュースセンターの担当者は手を休める暇がありません。

14:00
夕刊遅版の締め切り時間は通常、午後1時~1時半前後。編集局は一息ついた直後、午後のニュース活動に入ります。午後1時から1時半ごろにかけて、当番の整理部長が各部を回り、午後の取材、出稿の予定を把握するとともに、1面用の重要ニュースについて意見交換します。編集総括を務める編集局次長、副総括の副センター長と協議しながら翌日朝刊のメニュー「朝刊メモ」のたたき台を作ります。明日の朝刊づくりに向けた編集会議がまた迫ってきました。