
ソルトレークシティー冬季パラリンピックの閉会式で打ち上げられたフィナーレを飾る花火=2002年3月16日夜、メダルプラザ(共同)
【ソルトレークシティー(米ユタ州)24日共同】21世紀最初のスポーツの祭典となった第19回冬季オリンピック・ソルトレークシティー大会は24日夜、市東部のライス・エクルズ競技場で閉会式を行い、17日間にわたる熱戦に幕を閉じた。冬季五輪として史上最多の78カ国・地域から約2500選手が参加した大会は、国際平和の尊さを訴え、テロの恐怖に負けない国際社会の結束を示した。
昨年9月11日の米中枢同時テロを受け、米政府の威信を懸けた「厳戒五輪」となったが、選手たちは競技に集中し、感動的なシーンを世界へ発信した。
閉会式では戦い終えた選手たちが、和やかな雰囲気で入場した。判定問題で一時はボイコットも辞さない強硬な姿勢だったロシア、韓国の選手も笑顔で参加した。
国際オリンピック委員会(IOC)のトップとして初の五輪だったロゲ会長は「IOCとして非常に満足している」と運営を高く評価した。しかしドーピング(薬物使用)違反、採点や判定への不満も噴出し、大会に暗い影を落とした。
最終日にはスキー距離男子のヨハン・ミューレック(スペイン)、女子のラリーサ・ラズティナ(ロシア)が金メダルはく奪になり、薬物問題の根深さを世界に突きつけた。
フィギュアスケート・ペアで発覚した審判員の不正採点は、優勝のロシア組に加え、2位のカナダ・ペアにも金メダルを授与する前代未聞の決着。これに触発されたように、判定への強硬な抗議が続出した。
日本は前回長野五輪と同じメダル計10個を目指したが、計2個に激減。スピードスケート男子500メートルで清水宏保(NEC)が2位、フリースタイルスキー女子モーグルの里谷多英(フジテレビ)が3位と、前回金メダリストの踏ん張りがわずかに光った。
五輪旗は、ソルトレークシティーのアンダーソン市長から次回二○○六年開催地、トリノ(イタリア)のキャンパリーノ市長に引き継がれ、大会中燃え続けた聖火が消えた。
(2002年02月25日)
【ソルトレークシティー24日共同】招致疑惑に始まり、フィギュア不正採点問題、ドーピング(薬物使用)違反の金メダルはく奪まで。スキャンダラスな出来事が多かったソルトレークシティー五輪の10大ニュースを集めた。

2002年2月11日、ペアの表彰式で手を振るロシアのベレズナヤ、シハルリゼ組を見詰めるカナダのサレー、ペルティエ組(AP=共同)
(1)フィギュア採点問題
フィギュアのペアで、フランスの審判員が同国連盟会長の圧力で採点を操作したとして、当初2位のカナダ組にも金メダルを授与。国際スケート連盟は採点方法を大幅変更する方針。
(2)閉幕直前に薬物汚染
大会最終日の24日、スキー距離男子のミューレック(スペイン)と女子のラズティナ(ロシア)が、ドーピング違反で金メダルをはく奪された。
(3)ショートは大混乱
ショートトラック男子1500メートルは、1着でゴールした金東聖(韓国)が走路妨害で失格となり、オーノ(米国)が優勝。同1000メートルは転倒者続出で、後方待機のブラッドバリー(オーストラリア)が同国で冬季五輪初の金。

男子500メートル2回目 ラストスパートする清水宏保=五輪オーバル(共同)
(4)清水は銀、里谷が銅
スピード男子500メートルの清水宏保(NEC)は、長野大会に続く連覇はならずに銀。モーグル女子では前回金の里谷多英(フジテレビ)が銅。期待されたジャンプ陣は不振だった。
(5)地元米国が快進撃
米国は長期的な強化策が実を結び、メダル数は目標を大幅に上回る計34個で2位。金メダル10個もドイツ、ノルウェーに次ぐ3位。「USA」の大コールが相次いだ。

女子モーグル決勝 銅メダルを獲得した里谷多英の第1エアの演技=ディアバレー・スキー場(共同)
(6)ロシア怒る
スキー距離の女子リレーがラズティナの出場差し止めで棄権に追い込まれ、ロシアはフィギュアなどでも不利な判定があったとして、引き揚げも辞さない構えを。プーチン大統領は事態収拾を図った上で不満を表明。
(7)銀盤の女王はヒューズ
フィギュア女子シングルで16歳のヒューズ(米国)が、ショートプログラム4位から劇的な逆転優勝。2位はスルツカヤ(ロシア)で、本命視されたクワン(米国)は3位。
(8)ハリー・ポッター
ジャンプで20歳の新星アマン(スイス)がノーマル、ラージヒルをともに制覇。映画の主人公「ハリー・ポッター」に似ていることもあり世界の人気者に。
(9)金メダルたくさん
アルペン女子でコステリッツ(クロアチア)が3個の金を含む4個のメダルを獲得。ラユネン(フィンランド)はノルディック複合で3冠。バイアスロン男子のビョルンダーレン(ノルウェー)は4種目完全制覇。
(10)中国に冬季初の金
ショートトラック女子500メートルで楊揚が優勝し、中国に冬季五輪初の金メダル。楊揚は1000メートルでも優勝。
(次点)スピード男子短距離で優勝候補のウォザースプーン(カナダ)は、500メートル1回目でわずか5歩で転倒。1000メートルは13位と惨敗。
(2002年02月25日)

ソルトレークシティー冬季五輪を終え、共同記者会見に臨む日本選手団の竹田恒和団長(中央)ら。右端はスピードスケートで銀メダルを獲得した清水宏保選手=2002年2月27日夜、東京都港区のホテル
ソルトレークシティー冬季五輪の日本選手団解団式が27日夜、東京都内のホテルで行われた。
式には、この日午後に帰国した竹田恒和団長(日本オリンピック委員会会長)をはじめ、主将の原田雅彦(ジャンプ=雪印)、旗手の三宮恵利子(スピードスケート=富士急)、スピードスケート男子500メートル銀メダリストの清水宏保(NEC)らが参加。メダル数が長野五輪の10個から2個に激減し、竹田団長ら首脳は「目標に届かず残念」と反省の言葉を並べた。
疑問の残る判定、採点などが目立った大会だったが、竹田団長は「抗議をするときはするし、ルール改正を申し込むこともするが、スポーツマンとしてそれ以上はできないし、すべきでない」との姿勢を示した。
(2002年02月27日)