東日本大震災 > 東日本大震災半年
3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故は、日本の政治、経済、社会を大きく揺さぶった。迷走を続けた菅直人前首相は退陣し、野田佳彦首相には震災からの復興と原発事故収束という課題が重くのしかかる。放射性物質対策、被災地の暮らし再生、原発依存のエネルギー政策の転換―。日本を変えた半年を振り返り、後戻りできない道を歩むこの国の姿を追った。
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の影響で、東電、東北電力管内は一気に電力不足に陥り、計画停電や電力使用制限令の発動などによる混乱が続いた。中部電力浜岡原発の運転停止や定期検査中の原発の再稼働問・・・
東日本大震災の被災地では東北新幹線などの交通網や生活インフラの復旧が進み、仮設住宅も9月中に予定数が完成の見通し。ただ東京電力福島第1原発事故の警戒区域では、復旧作業のほとんどが手付かずの状態だ。 ・・・
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故という経験のない大災害に菅政権は後手後手に回った。原発事故への対応に追われ、行政組織をコントロールできない民主党政権の弱点が一挙に噴き出した形だった。震災復旧は・・・
水素爆発、ベント(排気)、汚染水の流出。東京電力福島第1原発事故では、本来、原子炉や建屋などに封じ込められるべき放射性物質が外部に大量に放出された。当初に比べると少ないが、半年後の現在も放出は続いて・・・
福島第1原発で事故収束の最大の壁となったのは、高濃度の放射性物質を含む汚染水だ。次々と増える汚染水への対策に追われ、原子炉や燃料を冷却して安定させるという目標の実現は遠のいた。汚染水から放射性物質な・・・
福島第1原発の事故収束作業で、東京電力や下請け会社の作業員は放射線を大量に被ばくした。東電と国の被ばく管理や対策は後手後手になり、国が急きょ引き上げた線量限度を上回る作業員も出るなど、深刻な事態とな・・・
福島第1原発事故で、政府は放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」を有効利用できなかった。システムを使って試算はしたものの、放射性物質の放出量などの・・・
福島第1原発事故を受け、米国は自国民保護と日米同盟のはざまで揺れながらも80キロ圏からの退避を、重大事故と確信したフランスは迷わず首都圏からの退避を、それぞれ自国民に勧告した。原発大国の両国に共通し・・・
福島第1原発事故は、地球温暖化対策などを背景に「原子力ルネサンス」と呼ばれた世界的な原発推進機運に冷や水を浴びせ、ドイツを筆頭格に「脱原発」の動きが続いた。一方で原発大国の米国やフランスは推進を維持・・・
福島第1原発事故を受け、放射性物質汚染への懸念から世界各地で日本産食品の輸入を規制する動きが相次いだ。これまでに輸入制限や検査強化など何らかの措置を講じたのは43カ国・地域に上り、事故から半年後の今・・・
福島第1原発事故後、定期検査中の原発の運転再開にめどが立たない状況が続いている。四国電力の伊方原発1号機が定期検査のため今月4日に運転を停止し、国内の商業用原発54基のうち稼働中は11基まで減少。再・・・
東日本大震災と福島第1原発事故で電力不安に覆われた日本社会。今夏は企業や家庭の節電で目立った波乱なく乗り切ったが、暖房需要が高まる今冬に不安が再燃する可能性もある。鉢呂吉雄経済産業相は電力各社の融通・・・
野田佳彦首相の新政権にとって、電力改革とエネルギー政策の見直しは優先度の高い課題だ。原発依存から脱却する路線は前政権から引き継ぐ。当面の電力供給を確保しながら、再生エネルギーの中長期的な開発のシナリ・・・
日本初の商用原発、日本原子力発電の東海原発(茨城県東海村)が運転を開始したのは1966年。東海原発は既に廃炉になったが、3月の福島第1原発事故前には54基の原発が営業運転中で、総設備容量は4896万・・・
日本原子力産業協会によると今年1月1日現在、米、フランス、日本など30カ国で436基の原発が運転中だった。昨年1年間にインド、ロシア、中国で5基の原発が運転を開始。英石油大手、BPによると、2006・・・
福島第1原発事故発生から半年。事故収束に向けた工程表は、原子炉の冷温停止を目標にした「ステップ2」が2カ月近く経過し、東京電力は新たな系統による原子炉への注水など原発の安定化に向けた作業を進め、1、・・・
福島第1原発の建屋地下にたまった汚染水は、浄化して原子炉の冷却に再利用している。東京電力はこの「循環注水冷却」を6月に始めたが、循環ラインは4キロに及び、1~3号機は一体的な運用になっている。将来の・・・
東京電力福島第1原発では、地震後の津波や原子炉建屋で相次いだ水素爆発により、大量のがれきが散乱した。高い放射線が検出されるものもあり、東電は4月から回収を始め、これまでにコンテナ500個以上に入れて・・・
福島第1原発事故で内閣に6月に設置された第三者機関「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東京大名誉教授)は、年内の中間報告の取りまとめに向け関係者の聴き取りを進めている。独立した立場での真相究・・・
東京電力福島第1原発事故後、子どもたちの転校や転園が相次いだ。共同通信の集計によると、県内外に転校・転園(休退園を含む)した小中高生と幼稚園児は少なくとも1万8千人。多くは原発周辺の自治体からだ。福・・・
串を利用した黄色い小旗が園庭の至る所に刺さっていた。その数、約40本。旗に記された数字は放射線量だった。東京電力福島第1原発から北に約24キロ。南相馬市の私立保育園「原町聖愛保育園」は緊急時避難準備・・・
放射性物質による汚染が広がった緊急時避難準備区域の自治体は、近づく解除に向け復旧計画の策定を急ぐ。しかし、除染作業は困難が多く、田畑は荒れたまま。川内村の秋元美誉さん(68)は、戻った仲間と村を立て・・・
「『健康に影響はない』と言われるだけでは信じられない」。福島第1原発事故を受け、8月から本格的に始まった福島県による全県民約200万人対象の健康管理調査。県民の不安解消を目指すが、結果をどう説明する・・・
東京電力福島第1原発事故で、全域が計画的避難区域となった飯舘村。住民約6500人のほぼ全員が避難したが、菅野典雄村長(64)は2年後をめどに村へ段階的に戻すと明言している。見通しを聞いた。 ―この・・・
野田政権が課題に掲げる復興の加速には「農地は3年、堤防は5年」などと定めた工程表に沿った公共インフラの着実な復旧が急務だ。事業費を盛り込む2011年度第3次補正予算が鍵を握るが、与党内には増税反対論・・・
岩手、宮城、福島3県を中心に津波、原発事故など甚大な被害をもたらした東日本大震災。神戸市など都市部に被害が集中した1995年の阪神大震災に比べ、はるかに広域の復興が必要だ。経済低迷の中、財源確保も課・・・
津波で九つの水産加工場・冷蔵施設のうち八つを失った。それでも、社員約800人の雇用を継続、新入社員30人の内定も取り消さなかった。「地域の将来を考えると、ドライにやってはいけない。特に若い社員の離職・・・
水田約8600ヘクタールのうち1800ヘクタールが津波で浸水した宮城県石巻市。北上川沿いの中島地区も約80センチ浸水したが、今年も普段通り黄金色の稲穂が波打つ季節を迎えた。 「よくここまで来られた・・・
東日本大震災の津波で、種ガキの全国シェア9割を占めていた宮城県の養殖場が壊滅し、地元だけでなく各地の養殖業者も種ガキの確保に懸命になっている。「宮城種」の一部は残ったが、絶対的な品薄状態。来秋出回る・・・
公共の福祉、国民全体の福祉と利益―。「ここ結構、重要です」。岩手県大槌町の大槌中学校3年1組。盛合晃敬(もりあい・あきよし)教諭(39)が黒板に書くと、生徒は真剣な表情でノートに書き取った。校舎が被・・・
東日本大震災から半年。全壊などの被害を受けた特別養護老人ホームや老人保健施設では再建の見通しも立たず、多くの高齢者が避難先で不自由な生活を強いられたままだ。受け入れた施設も定員超過が続き、入所者や職・・・
自治体の誘致熱に火を付けたソフトバンクの自然エネルギー事業は、計画策定に向けた作業が大詰めを迎えている。売り込みのあった候補地を中心に、孫正義(そん・まさよし)社長や担当者らが手分けして数十カ所を視・・・
IT技術を活用し、効率的なエネルギー利用を目指す仕組みがスマートグリッド(次世代送電網)だ。震災後は電力不足を解消する切り札と期待され、関連企業は技術開発や実証実験を強化している。 スマートグリッ・・・
東日本大震災後、部品供給網の寸断や電力不足、円高などの試練が次々と襲いかかり、自動車各社の国内生産はかつてない逆風に立たされている。完成車メーカーを頂点に1次、2次、3次と数多くの下請けの部品メーカ・・・
東日本大震災で企業のサプライチェーン(部品の調達・供給網)が寸断され、自動車や電子部品の生産は著しく滞った。部品の調達先、生産拠点の集約化で競争力向上を図ってきた国内製造業の弱点が浮き彫りになった。・・・
東北地方の製造業やサービス業は、東日本大震災からの復旧が着々と進展している。だが津波の直撃を受けた太平洋沿岸部では道半ばの中小企業も多く、福島第1原発事故の風評被害で観光分野は苦境ぶりが際立つ。 ・・・
都道府県知事と市区町村長の66%が原発の新設や増設に反対していることが10日、共同通信社のアンケートで明らかになった。新増設や再稼働の際、原発から離れた周辺自治体からも同意を得るべきだとの意見は54・・・
全国自治体アンケートでは、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置について、地元への誘致に関心を示す自治体が47%に上った。設置に伴う遊休地の活用や関連産業の集積など副次的な効果も念頭に、再生可能エ・・・