2006WBC

■王ジャパン、世界一 10―6でキューバ倒す

ファンの声援に応える王監督=ペトコ・パーク(共同)

 【サンディエゴ(米カリフォルニア州)20日共同】米大リーグの選手が本格的に参加して初めて開催された野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は20日(日本時間21日)、サンディエゴのペトコ・パークで決勝を行い、王貞治(おう・さだはる)監督(ソフトバンク)が率いる日本は10―6でアテネ五輪優勝のキューバを破り、初代世界一に輝いた。最優秀選手(MVP)には決勝の先発を含め3勝無敗の松坂大輔(まつざか・だいすけ)投手(西武)が選ばれた。

 参加16カ国・地域の頂点をかけた試合は、1回に今江敏晃(いまえ・としあき)内野手(ロッテ)の適時打などで4点を先取し日本ペースで進んだ。終盤1点差まで追い上げられたが、9回にイチロー外野手(マリナーズ)と代打福留孝介(ふくどめ・こうすけ)外野手(中日)の適時打などで4点を追加し、五輪優勝3度でアマチュア最強のキューバを振り切った。

 WBCは大リーグ機構と同選手会が主催し、五輪に出場しない大リーガーが出身国・地域に分かれて参加。日本は大リーグ選手がイチローと大塚晶則(おおつか・あきのり)投手(レンジャーズ)の2人にとどまり、2次リーグでは米国、韓国に負けて1勝2敗と苦しんだが、準決勝で韓国に雪辱し、決勝でも安定した投手陣や機動力を生かした攻撃など「日本野球」で王座に就いた。野球が五輪の正式競技となった1992年バルセロナ大会以降、日本は3位、2位、4位、3位と優勝がなかった。

 次回大会は2009年に開催予定。

(2006年3月21日)

■王監督、世界一の胴上げ イチロー、松坂ら活躍

日の丸を手にガッツポーズの上原(左)と清水=ペトコ・パーク(共同)

 「王ジャパン」が勝った。アマ最強キューバを倒し、日本がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初代王者だ。九回二死、大塚がグリエルを空振りの三振。イチロー、上原が、ナインがマウンドの付近に集まって抱き合う。王監督の胴上げだ。1度、2度、3度。王監督が宙に舞った。

 日本は一回に4点を先制した。満塁から多村の死球で押し出しの1点。2死後、小笠原の四球で押し出しの2点目。続く今江の中前打で2点を加えた。

 五回はイチローの二塁打から好機をつかみ、2点を加えた。1点差とされた直後の9回にはイチローの右前打、福留の左前打など4点を奪って突き放した。

 日本の先発、松坂は1回、先頭打者本塁打を浴びた。しかし、2回からは立ち直った。5回からは渡辺俊―藤田―大塚とつないでキューバの反撃をかわした。

 日本は2次リーグは米国と韓国に敗れて1勝2敗、敗退を覚悟したが、優勝候補筆頭の米国の敗戦で辛うじて準決勝に進んだ。一度あきらめた日本に守るものはない。準決勝では韓国に「3度目の正直」で快勝。その勢いを保ち、栄冠をつかんだ。(共同)

(2006年3月21日)

■球場に響く「万歳」 王座獲得に酔う日本ファン

キューバを破りWBCで優勝、胴上げされる王監督=ペトコ・パーク(共同)

 【サンディエゴ21日共同】「世界一だ」「万歳」―。ニッポンコールの中、キューバの最後の選手のバットが空を切ったのを合図に、大歓声が球場を揺らした。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が初代世界一を勝ち取った20日、約4万2000人が詰め掛けた米カリフォルニア州サンディエゴのペトコ・パークは日本選手をたたえる声であふれ、日本人ファンは王座獲得の感激に酔いしれた。

 長崎県から観戦に駆け付けた歯科医師、小嶺陽(こみね・あきら)さん(32)は「韓国戦など、苦しい展開の時も日本の勝利を信じていた」と満面の笑み。日本選手らが勝利を祝いグラウンドに広げた巨大な日の丸をじっと見つめた。

 「大和魂」と書かれた手製のシャツを着込んだ地元の大学生、小林剛(こばやし・ごう)さん(24)は応援でかれきった声で「優勝の瞬間は言葉にならない感動だった」。米国人男性観客(25)は「日本の実力は知っていたが、ここまでやるとは…」と驚きを隠さず、在米キューバ人の自営業、マイク・ゴメスさん(23)は「日本はグレート。攻撃と守備のバランスが良い」と称賛。

 世界一のプライドを懸けた決勝戦とはいえ、キューバの国民性も影響してか、球場内はお祭りムードに終始した。キューバ国旗に身を包んで踊る在米キューバ人のリズムに合わせ、日の丸を振る日本の若者たち。米国人カップルは、隣席の日本人に習った「サイコー(最高)」の声援を日本選手に送っていた。

 表彰式などのセレモニーは一時間ほどで終わったが、一部の日本人ファンは球場のあちこちで万歳三唱や胴上げを繰り返し、地元ファンと輪になって踊るなど、勝利を祝い続けた。

(2006年3月21日)